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Lee-Byung-hun addicted

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第16話

『I'll dream of you again』 scene16


「このナスの味噌汁旨いよ」ビョンホンはおわんを持って味噌汁を口にするとそう言った。
「何だかビョンホンssi日本に来ると日本人みたいね。」と揺。
「揺だってソウルにくると韓国人みたいにスプーンでご飯食べるじゃないか。」ビョンホンはそういうとケラケラと笑った。
「そういえばそうね。」揺はお茶碗を手に持って食事をしている自分の姿を不思議そうに眺めた。そして笑う。
「やっぱオモニのキムチは最高に美味しいわ。」揺は彼が土産に持ってきたキムチをほおばりながら満足げに微笑んだ。
「今年の冬は・・・漬け方教わろうかな・・・」
「揺、やっと嫁に来る気になったか・・・」ビョンホンが感慨深げに頷くと揺は照れくさそうに笑った。
「ねえ、奥さん今日は何しようか。三日間はお休みもらったんだ」
ビョンホンは口にご飯をほおばりながら揺にそう訊ねた。
「そうね・・・・・まずは。・・・」

「ごめんください~~~~」玄関から聞き覚えのある男の声がした。
「うそ」ビョンホンと揺は顔を見合わせた。

「お前、今度OFFになったら連絡するって約束しただろ」
晋作は不機嫌そうにご飯をほおばった。
「約束って・・・晋作さんが勝手に・・・」
そう言いかけるビョンホンに晋作は吠え掛かった。
「お前、お前の健康を心配して言ってやってるのに全くよぉ・・」
「まあまあ・・」そういいながら不二子が縁側から入ってきた。
「朝から騒々しいと思ったら晋さん来てたの。」
「あ、不二子さんお早うございます。実はパリからいい加減もう首にするぞって連絡が来ちゃって・・・2・3日中にパリに帰らないといけなくなったもんで。ご挨拶に来たらこれですよ。全く・・・・油断も空きもあったもんじゃない。」
「連絡しようと思ってたのよ。本当に。たまたま昨日彰介の結婚式でね、ビョンホンssiは忙しい合間を縫ってきたのよ。だから連絡できなくて・・・」
「ふ~~ん。なんだあいつ結婚したのかよ。俺には何の連絡も寄こさない。。。」
「だって、仲悪いんでしょ。」ビョンホンが笑いながらそういった。
「うるせ~よ。お前らは結婚式ぐらい呼べよな。いろいろ尽力してやってるんだから。」
ビョンホンと揺は困ったように顔を見合わせた。
「ま・・・とにかくだ。これも神の思し召しだ。あさって出発だからちょうどいい。明日人間ドッグな。」
「ええっ!ちょっと待ってよ・・・」
「待てないね。俺には明日しかないから。いいか。明日。朝8時に迎えに来るから。
今晩6時からは水しか飲まないように。激しい運動も厳禁・・・お前わかってるだろうな・・・・」晋作はそういうとビョンホンをにらみつけた。
「ちょっと待ってくださいよ・・貴重な休みなのに。・・・」ふてくされながらビョンホンが言った。
「お前がもし肺ガンだったらどうする?俺が揺を幸せにしなきゃならなくなるだろ。そうすると他の女が泣くことにもなるわけだ・・・」
「他の女って・・・誰っすか」
「えっ、例えばお前の妹とか・・・」
「冗談も休み休み言ってくださいよ。何でうちのウニをあなたにやらなきゃいけないんですか。」急に真剣に剥きになるビョンホンだった。
「例えばだよ。例えば。・・・とにかく健康第一。揺わかったな。幸せになりたかったらこいつの首に必ず縄つけて縛っとけよ。俺が引いてくから。あ~~~旨かった。じゃ、明日の検査の準備があるから今日は帰るわ。じゃ、明日8時な。食うなよ。飲むなよ。するなよ。」
そういい残しさっさと晋作はトメの家を後にした。
「するなよっ・・・・ってもう・・・」揺は苦笑いして頭をかいた。そして隣にいたビョンホンを意味もなく叩いた。
「何?」驚くビョンホン。「もう・・・やだ。恥ずかしい・・」
「お前、何言ってるの?」彼はわかっていないのか不思議そうに頭をかしげた。

「ねえ、なんでしちゃいけないわけ?」
その夜ビョンホンはベッドの上でだだをこねていた。
「だって・・・明日の検査でなにが引っかかるかわからないじゃない。もしそのせいで悪い結果が出たりしたら・・・」
「例えばどんな?」イライラしながらビョンホンが訊ねる。
「わかんないけどさぁ・・・前立腺がどうにかなっちゃうとか・・」困ったように揺が言った。
「ありえない・・一回や二回したくらいで絶対ありえない。絶対あいつの嫌がらせだ」
ビョンホンはふてくされながら言った。
「だって・・わからないもの。どんな影響がでるか・・ね。今日はもう寝ようよ。お腹もすくし・・・。」
「嫌だ。揺一回だけ・・・・」
「もう・・・だからダメだって・・・・」




「じゃ、問診からね。コイツがずっとお前と一緒じゃなきゃ嫌だって我がまま言いやがるから特別に全部二人で移動する・・・・全くお前は5歳のガキか」
晋作はそういい捨てると二人に問診票を渡した。
「はい、これに包み隠さず記入して」ふてくされたように晋作は言った。
「包み隠さずって・・・」揺はその表現が可笑しくて笑った。
「あ・・・・」と書きながら揺がつぶやいた。
「何、何か心配事か?」
「あ・・ううん。包み隠さずね・・・」揺はそういうとペンを走らせた。
「はい、書けた?」
「ねえ、看護士さんとかいないの?」揺が心配そうにきょろきょろして訊ねる。
「いっぱいいるよ。人間ドッグでは結構有名で手広くやってるし。でも、おじきに頼んで今日は貸しきり同然だ。それに俺が全部やるから。」
「えっ、大丈夫なんですか?」不安そうにビョンホンが訊ねた。
「お前俺を誰だと思ってるの。お前の病気は俺が見つけてやるから安心しろ。」
晋作にそういわれビョンホンはむっとして顔を背けた。
「さ、じゃまず簡単な問診だ。お前さ・・・タバコの量・・・さば読んでるだろ。もっと吸ってるよな。」
「いや、そんなこと・・・」
「ちゃんと書き直せよ」晋作はそういうとビョンホンに問診票を突っ返した。
「いいじゃないですか。細かいこと。それより早く終わらせてくださいよ」
「じゃ、早く書き直してくださいよぉ~。」晋作は意地悪そうにそう言った。
「じゃ、その間に揺ちゃんの問診票を・・・・うそ。お前・・・うそだろ?」
「えっ、何?」晋作のただならぬ様子にビョンホンは自分の書類そっちのけで揺の問診票を覗き込む・・・・
「妊娠の可能性・・・・・・あり」
「えええええええっっっっっ!!!!!!!!!!」
驚く二人を前に揺はヘラヘラと笑って頭をかいた。




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